今回の出版形式は、
商業出版(本屋さんに並ぶ)ではなく
自費出版(または自己出版、個人出版)です。
自費出版、というのは昔からよく聞く方法ですが、実際はどんな感じなのでしょうか?
今回、私はこの形式で書籍を作ることになり、本当に色々勉強になりました。
苦労も困難も多々あったのですが、とてもいい経験になりました。
これまで出版させていただいた書籍は、出版社様からのオファーで制作したものですので、諸々の手配や販売に関しての事務作業などは全て出版社の編集者さんが
やってくださっていました。価格の設定や報酬(印税)についてもそうですし、
本屋への流通、Amazonなどのネットショップに掲載、電子書籍、重版、など。
本を出す!と一言で言っても、それまでにはいろんな作業や工程があるのですね。
しかし自費出版となると、そうはいきません。基本的には全部自分で手配します。
もちろん、出来ない部分はプロにお任せします。
個人でプロのデザイナーさんに頼んだり、自費出版のサイト内でも
有料でデータの加工などを請け負ってくれるサービスもあります。
今までの書籍が、いかに楽して・・、というか著者側の負担はなく出版を
させていただけたのか..と出版社様、編集者様への有り難さを感じました。
(今更ですが、当時無名だった私に本を出させていただき本当にありがとうございます、と言いたい!!)
自費出版に至った経緯としては、自分で納得のいく本を1から作りたい、
自分の作りたいレシピ、撮りたい写真、見せ方、本のデザインや配置まで
全て自分でやりたい、という想いからです。
本を出すという夢は、ありがたいことに既に叶っていましたので、
今度は全部自分で、好きなように、全てにこだわって、
パーフェクトな1冊を作りたいな、と思ったのです。
まぁ、結果それはとても大変だったんですけどね^^; ...
でも納得のいくものが出来上がったので結果オーライです♡
【レシピの開発、試作、製作、撮影】
私の場合、アイシングクッキー本の時もそうなのですが、
完成カット(出来上がり写真)を仕上げて、その後に手順カット(作り方の工程)を
撮影します。同じレシピを2回作る、ということですね。
完成のカットは最高の1枚、そのメレンゲクッキーを最大に美味しそうに、
美しく見せるために渾身の力を込めて丁寧に作り、撮影します。
そして何枚も何枚も撮った写真の中から、一番良いものを選定します。
(これがなかなか大変な作業!撮りすぎちゃうのがいけないんですが..)
そしてその後に、もう1度同じレシピを作りながら、今度は手順カットの撮影をします。
今回、これもほぼ私一人で撮影!ちなみに手順撮影はiphoneです。
(完成写真は一眼レフ。)
手順カットは、右手でメレンゲ絞りながら、クランプで固定したiphoneの
シャッターボタンを左手で押す、という、超1人作業。笑
暗くなると撮影出来ないので時間のスピード感も必要。
撮影が冬だったので、日没が早くてここも苦労しました・・・
ミキサーを使って解説しているシーンは、どうしても1人では撮影出来ないので
(冬休みだった)娘のちありにシャッターボタンを押してもらいました。
一眼レフのシャッターは押せないけどiphoneなら、子供でも押せます!
これは本当助かりました^^
写真の選定もiphoneに入っていると、合間の時間にちょこちょこ作業出来るので
効率も良かったです。完成カットの写真も、iphone,ノート、デスクトップの2台の
macbookを駆使して大量の画像を管理し、グーグルドライブに共有しながら、
作業を進めました。最近はこうした優秀で使いやすい共有機能があるから、
こちらもとても助かりますね^^
【テキスト入力、本の構成やデザイン】
完成や、手順のカットの撮影が終わったあとは、私がデザインした本の構成、
テンプレートの中に、その写真を埋め込んでいきます。この作業は、到底私には
出来ませんので、知り合いの編集者さんにお願いしてデザイナーさんを
紹介していただき、その方に全てお任せしました。
イメージ通りの本にしてくださり、本当に感謝しています^^
テンプレートのベースは洋書のページを写真で送ったり、ラフを書いて送ったりして、
作りたい本のイメージを伝えて、それを形(雛型)にしていただきました。
これに関しましては、プロの方にご依頼しますので、ある程度大きな金額がかかります。
ページ単価でのお支払いでしたので数が多ければ多いほどかかりますね。
材料提供なども製菓材料店さんに頼もうかな、と考えていましたが・・、
結局全て自分で購入しました^^; 余った材料は私的に使ったりもしますので。
撮影小物、お皿や布などもひとまず全て自腹です。お皿集めは趣味でもあるので、
ついどこに買い物に行っても探しちゃうし、買っちゃうんですけどね^^
自費出版の場合、最初は製作にかかる経費を自分で出して本を製作し、
後に売上から回収する仕組みですね。
内容によって削れる部分ももちろんありますし文章メインの本なら道具は
あまり必要なさそうですが、お菓子のレシピ本となると、ほぼ全部が写真のページなので
材料やスタイリングなどにはこだわりたいですよね、
となるとそのバランスも大事かな、と思います^^
でも私、高級なお皿などはあまり買いません♪小物などもプチプラが大好きです*
写真が収まったテンプレートが私の元に戻ってきたら、今度は凄まじい数の
手順カットのテキスト(解説文)をパソコンで黙々と打ち込みます。
口金の番号や、使ったカラーの表記。絞っているシーンの説明も、
実際のレッスンなどで生徒さんに言葉で伝えるのは簡単なのですが、
文字として、文章として書く、入力するのは本当に難しく大変な作業です;;
『メレンゲをゆっくり円を描くように絞りながら上に向けてひっぱる』・・みたいな。笑
これであってる?意味通じる?と、自問自答を繰り返しながら、
ひたすら打ち込むのです・・
そして何度も何度も訂正、修正、戻ってきてまたチェック、もう1度修正、、
という作業を繰り返していきます。
添削する際のテキストのチェックにはひじょーーーに時間がかかりました。
言い回しって難しい、、、日本語って難しい、、、涙
デザイナーさん、編集者さんにも協力していただきましたが
いつも作っている私はわかったとしても、
初めて作る人が読んだ時に理解できる言葉、表現なのか?
さっきのレシピでは、『丸く絞る』って書いたけど、
こっちのレシピでは『円を描くように絞る』って書いてしまった、
どっちに統一する?みたいなことも多々。
タイトルには英語を付けたい!というのは絶対だったので
スペルのチェックもぬかりなく。誤字脱字があってはなりません。
欲張っていっぱいレシピを作りすぎた、載せすぎたせいか笑
自分で自分の首を絞めることになってしまった感は否めませんでした^^;;
【プリントオンデマンド出版(POD出版)】
そして、今回自費出版という形で、本を出版することになり、利用したシステムは
プリントオンデマンド出版(POD出版)
Amazon POD(NextPublishing POD出版サービス)という形式です。
オンデマンド出版とは
注文者の注文に応じてAmazon社内で印刷・製本して
注文者にお届けする形の出版形式。
PDFデータで作られた本の原稿をPOD出版サイトに入稿し、本として販売を開始します。
そしてその本はお客様が購入する度に1冊ずつ印刷され、配送までしてくれます。
自費出版の場合でも紙媒体としての在庫を抱えず、
データだけ持って(入稿)いれば、欲しい人が欲しい時に注文し、
それをAmazonの印刷、流通システムを使い、すぐにお客様のお手元へ
届けてくれるという仕組み。
売れ残ってしまった、在庫が家にいっぱい、、ということがないのは
自費出版の際にはなかなかいいシステムですよね。しかも配送までやってくれる♪
Amazonのサイトなら皆さんアカウント持っていますしね^^
ただ、今回私が作ったようなページ数の多い書籍は、印刷代がかかります。
(カラーページ数に応じて計算され、その代金がかかります)
なんせ1冊ずつの印刷ですから、大きな印刷会社で何百部、何千部と
一気に印刷するコストとはわけが違います・・・。
販売手数料も、Amazonのサイトの利用や配送費用も込みですから、ある程度かかります。
ページ数に応じての最低金額の設定はPOD出版のサイトで決まっており、
それ以上でなければ価格をつけることができません。
カラーページ数の多い書籍は安く販売することはできないのです。
今回私が作った書籍はカラーページが200越え。
著者に入る金額は【印刷費用】、【販売手数料】が差し引かれた金額になることを
どうかご理解いただければ嬉しいです。
私の挑戦であり、チャレンジでもある自費出版での大きな規模の本です、
皆様どうぞよろしくお願いいたします!!
でも、たくさんのメレンゲクッキーレシピが載っていますよー♡
消費税に関しても、お客様が購入時かかった消費税は全てAmazon.co.jpが管理して
納税されるそうなので、著者との関わりはありません。
(税抜き価格から差し引きされた収入額、ということですね!)
本の企画、デザイン、試作、製作、撮影、テキスト、入稿、宣伝。
本を製作するにはいろんな工程がありますが、どこを自分でやるか、
どこをプロに任せるか、などは自由に選べるので、このPOD出版という形は
いろんな可能性があるように思います。
今の時代は自分で本が作れる♪自分で製作費や販売価格を設定できて、
在庫を抱えず販売することができる♪あの大手Amazonが手配、発送してくれる♪
ご興味のある方は是非POD出版について情報たくさんありますので
調べてみてくださいね!
(次回に続く♪)